取引先の信用調査をする方法 

ネットビジネス聖書(バイブル)

製品や商品を販売して代金を回収するまでは、取引先に信用供与していることになります。これを与信といい、取引先にお金を貸していることと同じことです。その代金回収確実性を管理することが与信管理です

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取引先の支払いが遅滞した場合


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期日までに取引先からの振込入金がないというのは、きわめて重大で異例な事態です。

何の連絡もなく、入金がないということは、ミスにより振り込まれなかったのではなく、取引先に異常な事態が起こっていると考えるほうがよいでしょう。

そこで、できれば当日中に面談して事実を確認する必要があります。

入金期日までに入金がなかったことを経理担当者が確認したら、すぐに営業担当者に連絡し、営業担当者はいつ回収できるかを確認し、社内で承認するといった、入金確認と督促がスムーズに行えるような社内体制が構築されていることが重要です。

通常、企業で資金を管理する担当者が振込みを忘れることはまずありえません。

そこで、支払いを遅延するということは、資金が不足していると考えたほうがよいでしょう。

そして、支払いが遅延した先には、いつ振り込めるか、その根拠も含めて確認をとる必要があります。

場合によっては資金繰り表を徴求して、全体の入金と出金を見て、間違いなく自社への支払が可能かどうかを確認します。

そのうえで、いつ払うという約束を取りつけます。

口頭だけではなく、面談時にその場で、「何の代金いくらをいつから支払いを遅延しているがいつ払う」という最低限必要な項目を盛り込んだ書類として徴求することが重要です。

たとえば、○月○日に大きな入金があるからそれで支払うという回答があった場合は、取引先が保有する注文書や請求書の控えで将来の入金が見込める事実を確認します。

資金繰りが厳しく、支払いが遅延し督促されている企業は、厳しく、粘り強く督促する相手から先に支払う傾向にあります。

そこで、電話でやり取りするだけでなく、面談したり、資料を要求したりする必要があります。

支払期日を約束したら、手形や先付小切手を徴求することも有効です。

手形や小切手を決済できなければ、不渡りとなり、倒産する場合もあるので、他の支払よりもそれらの決済を優先するからです。

分割で支払いたいという申し出がある場合もあります。

分割で支払うということは、すでに期日が来ている支払を遅延したうえで今後何回かに分けて支払うということです。

一括で支払えるのに、資金繰りを楽にするためや、先行きの資金繰りにめどが立っていないため、その場をとりあえずやり過ごすためといったケースが想定されます。

いずれの場合も、本当に全額一括で支払うことができないのかどうかを検証する必要があります。

そして、分割が妥当だと判断できる場合のみ、分割による回収とします。

しかし、この場合も手形や先付小切手を徴求するほうがよいでしょう。

分割での支払いを認めた場合、その後の取引をどうするかという問題に直面します。

出荷を続ければ債権額が増加します。

しかし、出荷しなければ取引先の経営に重大な影響を与え、分割払いの原資を獲得できずに、以後の支払ができなくなるケースもあり得ます。

そこで、中期的な視点で検討する必要があります。

そして、その取引先は、一時的に資金繰りが厳しいが、自社が出荷を続ければ中期的に存続が可能であると判断できる場合は、分割払いに応じたうえで出荷を継続したほうがよいでしょう。

しかし、出荷を続けても、先行きが怪しい場合は、出荷を中止した場合の見込み損失額と、継続した場合の見込み損失額を比較して、経済合理的な選択を実行することになります。

判断に際しては取引先から、企業内部の実態がわかるレベルまで開示を受ける必要があります。

取引先が業況を回復させる強い自信を持っていれば、開示の要求に応じる可能性が高いでしょう。

しかし、開示に応じないようであれば、取引先は目の前の資金繰りに追われており、先行きが見通せていない可能性が高いといえます。

分割払いに応じる場合は、取引先と準消費貸借契約証書を締結し、過去に債務が存在することを承認させます。

取引先に対して、継続的、または複数の製品や商品を販売した結果として、売掛金が蓄積されていると、どの製品や商品に対する売掛金がどれだけ未払いになっているかを区別することが困難になります。

しかし、準消費貸借契約に切り替えると、複数の売掛金債権をひとまとめの債権にすることができるため、債権管理が行いやすくなります。

準消費貸借契約書は、公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公正証書にするように交渉します。


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公正証書は公文書なので、高い証明力があるうえ、債務者が金銭債務の支払いを怠った場合に、裁判所の判決を待たずにただちに強制執行手続きを取ることができます。

公正証書は、公証役場で作成してもらいますが、作成にあたっては取引先本人または代理人といっしょに公証役場に行く必要があります。

取引先から手形ジャンプの要請を受けた場合に、応じるかどうかのポイントも分割払いを要請された場合と同じです。

手形のジャンプに応じることは、期日をもっと先の日付にした手形との差し替えに応じることです。

手形のジャンプに応じない場合は、その手形が不渡りになる可能性があります。

手形のジャンプに応じる場合には、以下の点に注意する必要があります。

手形をすでに金融機関に取り立てに出してしまった後であれば、金融機関に対し依頼返却の手続きを申し出て、手形を返却してもらいます。

この際、金融機関は手形を依頼返却した事実を知ることになるので、あの会社は手形をジャンプするような信用状態が悪い取引先と取引していると考えます。

もしも、手形の振出先との取引の会社全体における売上に占める割合が高ければ、依頼した企業に対する警戒を強める可能性があり、借入れが受けにくくなる可能性もあります。

万一、依頼返却した手形を振り出した企業が倒産した場合には、自社に多大な影響を及ぼす場合に、自社の信用を低下させないためには、金融機関に対して、今後の業況回復が見込めるから手形のジャンプに応じるという根拠を示して説明できなくてはなりません。

それができない場合は、その取引先が倒産しても、自社が存続できる根拠を示す必要があります。

手形をジャンプする際には、まず、新しい期日をいつにするかを決めます。

取引先は、なるべく先の期日を要請してきますが、相手の資金繰りを見極めたうえで、取引先の資金繰りが破綻しない範囲で最短の期日を設定することが重要です。

同時に、従来の期日に可能な限りの金額を支払うよう交渉します。

そのうえで、遅滞する金額に対する損害金を含めた手形を徴求します。

このときに、従来の手形は返却しないで、併せて手形ジャンプの依頼書を徴求します。

手形ジャンプの依頼書には、いつ何の取引原因で振り出したいくらの手形を、期日に決済できないために、新たに期日を設定した旨を記載させます。

新しく徴求する手形が前の手形とつながりがないようにしてしまってはいけません。

同一の債権であることが確認できないと、過去の担保や保証によりカバーされない債務だと取引先に主張される恐れがあるからです。

一方、自社にはまったく落ち度がないのに、取引先から理不尽な支払い拒否の申し出がある場合があります。

クレームをつけられるような落ち度がないような場合は、取引先は資金繰りに窮して苦し紛れにクレームをつけることで、支払いを逃れようとしていると考えらえます。

しかし、クレームへの対応策を社内で協議している間に取引先が倒産したりして、代金を回収できなくなる可能性があります。

そこで、毅然とした対応で代金を請求し、回収策を講じることが重要です。

分割払いや手形のジャンプを依頼された場合、担当者は個人で問題を抱え込まず、取引先に対して、なぜそのような状態になったのか、今後の見通しはどうなのかを面談や資料を依頼して、納得のいく調査ができるように要請することが重要です。

取引先が実態を開示してくれなければ、自社で合理的な判断を行うことができません。

問題を解決しようとする場合、取引先と向き合って実態把握を行うことから逃れることはできません。

取引先から分割払いや手形のジャンプを依頼されたときには、取引先に過度の期待をさせないようにします。

場合によっては期待に応えられないこともあるからです。

そこで、後日のトラブルを回避するために、現時点では資料提出を待っている段階なのか、自社内で検討中の段階なのかをきちんと取引先に理解させる必要があります。

分割払いや手形のジャンプに応じることになった場合でも、取引先の要求にそのまま応じるのは得策とはいえません。

分割払いや手形のジャンプに応じることは自社にとってもリスクが高いことなので、担保や連帯保証人を追求することにより保全を強化することを条件として応じるように交渉します。

取引先が、分割払いや手形ジャンプ等の本来の取引の範囲を超えた支援を要請してきた場合には、保全強化等自社の要求を毅然とした態度で行うことが重要です。

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