取引先の信用調査をする方法 

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製品や商品を販売して代金を回収するまでは、取引先に信用供与していることになります。これを与信といい、取引先にお金を貸していることと同じことです。その代金回収確実性を管理することが与信管理です

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商業登記について


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新規取引先の信用調査や、既往取引先の再調査が必要になった場合、商業登記の登記事項証明書を見れば、企業の概要がわかります。

登記事項証明書は、法務局の登記事務のコンピュータ処理化に伴い、以前の登記簿謄本がデータ化されたものです。

新規取引の際、相手方が法人であるか個人であるかによって、権利・義務関係が異なりますが、登記事項証明書を取得することにより、相手方が本当に法人なのかどうかの実在性を確認できます。

ちなみに、会社法上の会社には、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社があり、それらの文字が商号についていれば法人です。

また、現在、有限会社法は廃止されていますが、会社法施行以前に設立された有限会社は特例有限会社として存続が認められているので、登記事項証明書に有限会社という文字を含む商号が記載されている場合は法人であるといえます。

一方、法人だけではなく、個人事業主であっても商号を登記することが可能です。

個人事業主が商号を登記している場合には、登記事項証明書が存在しますが、この場合、株式会社、合名会社などの法人格を表す文字が商号に含まれていません。

つまり、法人とではなく、個人と取引することになります。

登記事項証明書を取得する方法には次の5つがあります。

1 法務局で入手する

調査対象企業の本店所在地を管轄する法務局の支局や出張所を、法務省法務局のホームページで調べます。

法務局では、申請書用紙に必要事項を記入し、所定の金額の登記印紙を貼付して窓口に提出します。

登記印紙は、法務局の中で販売していますが、郵便局で購入することもできます。

2 郵送で入手する

調査対象企業の本店所在地を管轄する法務局に、申請用紙を郵送して取得します。

申請用紙はコピーしても問題ありません。

郵送の際には、宛名を書いて切手を貼った返信用封筒を同封します。

なお、登記事項証明書はページ数により料金が加算される場合があり、登記印紙の金額が不足することもあるので、この場合、速やかに連絡してもらえるよう、名刺を同封しておくとよいでしょう。

3 オンライン申請システムで入手する

電子証明書を取得し、法務省オンラインシステムのホームページから必要なソフト・ウエアをダウンロードすることで、インターネットで登記事項証明書を取得することができます。

事前にユーザー登録を行い、申請者IDとパスワードを取得しておく必要があります。

登記事項証明書は、送付を請求する法務局に対して、その法務局の管轄外である証明書の送付請求を行うこともできます。

オンライン申請システムで請求された登記事項証明書は、希望する送付先に郵送されます。

このとき送付される証明書は窓口や郵送で請求した場合と同じものです。

郵送料は不要で、登記事項証明書に必要な登記手数料のみを納付すればよいので、窓口や郵送で請求する場合よりも費用が安くなりますが、速達・書留等を希望する場合には追加料金が必要になります。

手数料は必ず電子納付する必要があり、登記印紙の郵送は認められていません。

手続きの詳細は、法務省オンラインシステムのホームページで確認することができます。

4 インターネットで入手する

「インターネット登記情報提供」というサイトを利用すれば、コンピュータ化された法務局の主要な情報を、インターネットで入手することができます。

このサービスは、「電気通信回線による登記情報の提供に関する法律」に基づき、財団法人民事法務協会がインターネットを利用して、利用者のパソコンの画面に登記情報を表示する有料のサービスです。

利用するためには、協会と情報提供契約を行い利用者IDを取得する登録利用と、クレジットカードの即時決済による一時利用の方法があります。

現存会社等の場合は履歴事項の全部、閉鎖会社等の場合は閉鎖事項の全部の登記情報を入手できますが、コンピュータ化される前の情報は記載されません。

取得する登記情報は利用者が請求した時点での最新のものであり、原本と相違ない情報ですが、行政機関等に対する電子申請等に際して、認証文、公印等は付記されないため、登記事項証明書にはなりません。

しかし、信用調査という目的であれば十分利用でき、オンライン申請システムで登記事項証明書を入手するよりも安い費用ですみます。

なお、情報量が基準を上回る場合には取得することができません。

5 他の法務局で取得する

各法務局間では、登記情報交換システムが導入されているので、他の登記所管轄の登記事項証明書や印鑑証明書の交付を受けることができます。

ただし、情報量が基準を上回る場合は取得できません。

登記事項証明書にはいくつか種類がありますが、中でも最も多くの情報が含まれている履歴事項全部証明書を取得するとよいでしょう。

履歴事項全部証明書は、交付請求日の3年前の日の属する1月1日(基準日)から請求日までの登記の変遷がわかるデータが記載されています。

つまり、過去約3年間の商号変更や本店移転、役員変更などの経緯がわかります。

一方、コンピュータ化された謄本には、その時点からの情報しか記載されていません。

そこで、法務局がコンピュータ化される以前の情報を取得したい場合には、閉鎖登記簿謄本を取得します。

これらを入手するためには、調査対象企業の本店所在地を管轄する法務局に行くか、郵送で入手するしかありあません。

ちなみに、閉鎖登記簿は閉鎖から20年で除却されますが、現実には20年を超えても取得できる場合もあります。

また、取得する日から3年前の日が属する1月1日よりも、コンピュータ化された日が早い場合には、両者の期間に空白が生じますが、閉鎖事項証明書を入手すれば、空白期間についても知ることができます。

さらに、設立までさかのぼって会社を調査したい場合は、「履歴事項証明書」→(「閉鎖事項証明書」)→「コンピュータ化に伴って閉鎖された謄本」→「閉鎖された各欄」とさかのぼっていきます。

閉鎖謄本の「登記記録に関する事項」欄に、別の法務局の管轄地から本店を移転してきた事実が記載されている場合には、移転前の住所の管轄法務局で閉鎖謄本を取得します。

登記事項証明書に記載されている項目は以下のとおりです。

・商号

・本店

・公告をする方法

・会社成立の年月日

・目的

・発行可能株式総数

・発行株式の内容

・発行株式の総数種類ごとの発行済株式総数

・株券を発行する旨の定め

・資本金の額

・株式の譲渡制限に関する規定

・役員に関する事項

・取締役設置会社に関する事項

・監査役設置会社に関する事項

・登記記録に関する事項


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なお、インターネット登記情報提供で取得した登記情報は、登記事項証明書ではありませんが、内容は同一です。

信用調査では、特に以下の項目の内容に留意します。

A 商号

調査している企業の名称と一字一句合致しているかどうかを確認します。たとえば、会社名を「株式会社○○○○」と聞いていたのに、登記事項証明書では「○○○○株式会社」となっている場合、両者は別の会社です。

相手に説明を求め、納得のいく回答が得られなければ取引をするべきではありません。

B 本店

実際の会社の本社所在地と、登記事項証明書に記載されている住所が合致しているかどうかを確認します。

また、本社が頻繁に移転していないかどうかを確認します。

創業の地を大切にして、会社が大きくなっても本店の移転登記をしていない場合や、会社が急成長を続けて、移転をくり返した場合もあるので、住所の不一致や頻繁な移転が、必ずしも危険な会社であるわけではありません。

しかし、住所が一致しない、または頻繁に移転するということは、通常はあまり生じないことです。

そこで、その理由を確認し、納得のいく回答が得られなければ取引をするべきではありません。

C 会社成立の年月日

設立年月日が古く、老舗だから安心できるわけではありません。

会社成立の年月日は変更することができないため休眠会社を購入した場合等は、その会社が本当の意味での事業活動を開始したよりも前の日が、会社設立年月日として記載されています。

そのような事実を発見した場合は、納得のいく回答が得られるかどうかを確認します。

なお、休眠会社が、売却する以前に別の法務局の管轄地で事業を行っていた場合は、その法務局で閉鎖謄本を入手すれば、相手方の回答の真偽を判定する材料になります。

ちなみに、別の法務局の管轄地から本店を移転した事実は、「登記記録に関する事項」欄に記載されています。

D 目的

会社設立の目的が、自社との取引の範囲内にあるかどうかを確認します。

範囲外である場合は、取引の有効性が疑われます。

また、実際の事業と比較して、あまりにも多くの分野の目的を掲げている場合にも警戒する必要があります。

E 資本金

資本金は、資金の調達の源泉を示しているにすぎず、現金や預金として会社にプールされている金額ではありません。

したがって、資本金の額は会社の良し悪しには関係はありません。

しかし、資本金が減少している履歴がある場合には、その事情を確認し、今後の取引に不安のない経営状態が将来維持されるかどうかを調査して、取引の可否の判断材料にします。

F 役員に関する事項

役員欄には、代表取締役、取締役、監査役等の氏名と、選任された時期が記載されています。

また、代表取締役については、住所も記載されています。

直前に役員全員が交代している場合は、取込詐欺を行うために休眠会社が利用されているケースも疑われます。

また、代表取締役や、業務を遂行するうえで重要な役員が辞めている場合も、経営状態の悪化や、内紛の発生などが考えられるので注意が必要です。

頻繁な役員の改選も、経営が不安定な状況にあるといえます。

また、実務上社長に見える人物ではなく、妻や第三者が代表取締役として登記されている場合は、社長になるには不都合な事情がある可能性があります。

代表取締役については、記載されている自宅の住所の不動産について、登記事項証明書を取得すれば、持ち家か借家か、また、担保設定状況などについて調べることができます。

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